革新的な腕時計が欲しいと思う人はごく少数でしょうが、存在します。

時計マニアで、いろいろな腕時計を見たりつけたり、購入したり、集めたりした結果、シンプルな腕時計に原点回帰する人もいれば、通常の腕時計じゃ満足できなくなった人もいることだと思います。

そういった普通じゃない、革新的な機構を載せた腕時計は複雑な機能が搭載されている分かなり高額で、ヴァシュロンコンスタンタンやパテックフィリップの複雑機構満載の珍しい腕時計は億円することも珍しくありません。

リシャールミルがそのくらいする腕時計をいつも作っていますが、これがまた富裕層に売れるんですよね。

リシャールミルのトゥールビヨンを買うなら断然パテックフィリップの超絶めまい級のコンプリケーションを買うと思いますが。。

さて、そんな面白い腕時計と言えば、マイスタージンガーの1本針のモデルが印象的。

マイスタージンガー

1本の針で計時するアイディア商品で、針なんて1本あればいいぜ、な1本なのです。

シンプルこの上ない腕時計と言えば例えばパテックフィリップのカラトラバや、ヴァシュロンコンスタンタンのパトリモニー、ランゲ&ゾーネのサクソニアなどが挙げられますが、どれも針は2本ありますw

ですからこの1本で時を計るというすこし混乱しそうな感じが逆に複雑性を感じさせるのでした。

アイディアはすごく好きなんですけどね。

シンガー トラック1

シンガー トラック1


さて、今日はそんなわけで、マイスタージンガーではなく、シンガー(ジンガー)と呼ばれる元々はポルシェのレストアを行うメーカーが作った時計、トラック1についてお話ししたいと思います。

まず一目見て少しどうなってるのか複雑な感じですが、中央の部分がクロノグラフの秒、分、時積算になっています。

文字盤の中央の部分がクロノグラフになっているこのムーブメントはアジェノー社が生んだドーナツ型の計時ムーブメントに小型のクロノグラフモジュールを突っ込んだもので、肝心の時間計測は文字盤外周のダイヤルで行うようになっています。

ダイヤル外周の2つのディスクが回転し、6時位置にあるオレンジ色の針に合わせて時間を読むようになっています。

これがアジェノー社のムーブメントの特徴。

ポルシェのレストア、モディファイを行うシンガー社が作る腕時計はクロノグラフを中央に大きく置く、レーシングに特化した腕時計ということになります。

シンガー トラック1

シースルーの裏蓋からは綺麗な機械式ムーブメントが見えますが、実はこれローターがないのに自動巻き。

自動巻きの回転ローターは実は文字盤裏にセットされているため、一目見ただけでは手巻き式だと思ってしまうなんとも革新的な1本。

計時をダイヤル外周でしたり、クロノグラフが中央にあったり、ポルシェのレストアメーカーが作ったり、ローターが見えないのに自動巻きだったり、全てが通常とは異なる仕様であるこの1本。

時計メーカーではない会社が生み出しているので、常識をいくつも打ち破った腕時計が出来ているのかもしれません。