
パネライが本当に変わってきています。
昔のイメージ、つまり1990年代からのパネライを知っている人は、
その言葉の意味がよく分かるんじゃないでしょうか?
昔のパネライの無骨な感じとともに青春を過ごした人はあのころのパネライが懐かしいに違いない。
シンプル極まりない顔とあの厚み、文字盤は黒のみでサンドイッチ。
これが最高のでオーソドックスなパネライだった時代は少々変化しつつあります。
ルミノール ベース 44mm PAM00001
ルミノール ベース 44mm PAM00002
これらはパネライのデビュー当時に生まれた元祖ルミノール。
デカくて厚くて今よりもさらになんじゃこりゃと思われていたころのルミノールです。
そしてこれが現代のオシャレなルミノール。
ルミノール ドゥエ 3デイズ オロロッソ 42mm PAM00677
ルミノール ドゥエ 3デイズ オロロッソ 42mm PAM00741
なんじゃあこの派手さは!
と思わせるデザインです。
後発的の登場したパネライも同時に知ってきた僕たちの世代には違和感はそこまでありませんが、
パネライを昔から良く知っている玄人の方はこういったハイカラなパネライの姿に一体どういった思いがあるでしょうか?
ただ誤解してはいけないのは、
昔の無骨なデカ厚のパネライもちゃんと残してあります。
多少薄型化の波がマイナーチェンジとともに訪れてはいるんですが、確実にパネライは変化しています。
PAM00312とPAM01312の例で言う、あの感じです。
リファレンスの1000を加えた後継機の誕生でケースの厚みが変わりました。
2017年は時計界にとって割と大きな年になりました。 バーゼルなどで発表された腕時計が各社高評価のモデルが多く …
こちらの記事でその変化について書いているので参照あれ。
こんな感じで厚みはだんだんと薄くなりつつあり、ムーブメントも自社製に切り替わろうとしています。
パネライのオリジナルがだいたいに他社のムーブメントをベースにしたものなので、オリジナルを優先すると汎用ムーブメントだと言われるし、
モダンなパネライだと自社製だから、この辺でいつの時代のパネライが良いか意見が分かれそう。
それでパネライの変化は厚みだけじゃなく、デザインにまで及んできましたというのが今日の話。
さっきの水色のルミノールは極端な例なんですが、昔のパネライじゃ想像できなかったタイプです。
白い文字盤自体が新しめの仕様ですからね。
ちなみにドゥエというシリーズ、厚みが11mm以下しかない。
こういう感じの薄さ。
パネライじゃないっぽいです。
ケースサイズも42mmと落ち着いた大きさ。
P.1000/10と呼ばれる極薄のムーブメントが貢献した、極薄のルミノール。
この極薄化したムーブメントは自社でムーブメントを製造し始めてから起こったブランド革命であります。
これまでパネライはETAやユニタスのムーブメントを改造したり、名前も聞いたことない老舗のハードコアなスイスのムーブメントメーカーの機械をのせたり、
はたまたゼニスのエルプリメロやエリート、オメガやロレックスの手巻きムーブを載せたりと、
他社からの供給でブランドが成り立っていました。
ETAがスウォッチグループ以外の時計ブランドにムーブメントの供給をやめて久しいですが、
1997年にヴァンドーム、現在のリシュモングループに入ったパネライとしてはスウォッチグループからETAの供給がしてもらえないため、
自社で生き残りをかけてムーブメントを作らなければならなかったわけです。
時計界もかなりのサバイバルを繰り広げています。
なので今回お話しするパネライの変化は時代の流れにのって生き残るための術なんじゃないでしょうかね。
ずっと地味でデカ厚だけの腕時計を作っても生き残れないと判断したのでしょう。
ルミノール ドゥエ 3デイズ オロロッソ 42mm PAM00677
さてこのドゥエと呼ばれる最新のパネライなんですが、
まず薄いのとハイカラなのが目につきます。
オシャレというしかない。
ターゲットは男性女性、両方でしょうね。
それゆえにこの42mmのサイズは男性にはフィット、女性にデカウォッチという感じ。
同じ時計で夫婦ウォッチ、ペアウォッチが出来そうだ。
ルミノール ドゥエ 3デイズ オロロッソ 42mm PAM00741
こっちも同じサイズ、同じスペック。
違うのは文字盤デザインのみ。
白文字盤は男性より女性の方がこっちを好む割合は多いですかね。
ペアウォッチとして同じモデルを買うのもありですが、
このドゥエを一つずつ買ってどっちかがどっちかという感じでも良いでしょう。
その他のブランドにはこれより派手なブランドがたくさんあるんですが、
パネライのここまで冒険した腕時計を見るのは新鮮で良い。
ということはパネライは意外と硬派なブランドということになるんでしょうか?
イタリアンな性格を持っているパネライですが意外といえば失礼かもしれませんが、
割と硬派な面も持ち合わせているという言ってみればルパン三世のような腕時計。
これからどんな風にパネライが進化していくのか楽しみではあります。
ラジオミールの大変化も見てみたいですね。