
IWCが生み出したすごいムーブメント、
というかモジュールと言った方が良いのかな。
クルト・クラウスによる永久カレンダー機構。
IWCを代表する3人の有名人の中の1人。
他にはペラトン巻き上げ機構を生み出したペラトンさん。
そのままの名前がつけられた。
あとはジョーンズキャリバーで有名なFAジョーンズ。
創設者だ。
そのなかでもIWCの永久カレンダーを生み出したクラウスさんのモジュールは称賛に値する。
他の記事でも書いているんですが、
ETA7750に付随するパーペチュアルカレンダーをたった83個のパーツで作り上げたのだ。
それが1980年代。
現在ではそれをベースに新たに作ったムーブメントをダヴィンチの新作などにも搭載している。
このムーブメントのすごいところはリューズで全カレンダーを操作することが出来る点。
他のコンプリケーションなどは、
ケースサイドにピンなどで押したりするような小ささなボタンなどがある。
ここがクルト・クラウスさんのすごいところ。
技術屋IWCが誇れるのはそれだけじゃない。
これは2017年の新作ダヴィンチ。
1000万円を越える代物。
見てお分かりのようにトゥールビヨン搭載のダヴィンチ。
トゥールビヨンとは重力でテンプの振動が偏るため、
その影響をなくそうとテンプ自体を回転させ、
影響を平均化する装置。
恐らく時計の複雑機構では一番複雑で一番高価な機構。
これがあると時計の価格が一気に跳ね上がる。
60秒で1回転する複雑な仕組み。
リューズを引くとテンプの動きが止まる、
フライング・ミニッツ・トゥールビヨンが新たに開発されている。
文字盤にはトゥールビヨン、クロノグラフ、レトログラードを全て搭載していて、
これはIWC初の試み。
ムーブメント内部の素材も、
ガンギ車とアンクルにはシリコン素材を採用し、
耐磁性を高める対策を行っている。
さらにはそのシリコン素材をダイヤモンドコーティングし、
磨耗にも耐性がある。
- ケース直径: 44mm
- ケース厚: 17mm
- ムーブメント: 自動巻きCal.89900
- パワーリザーブ: 68時間
- ケース素材: 18金レッドゴールド
- 防水性: 30m
スペックはこんな感じ。
クロノグラフがついて、
レトログラード方式のポインターデイトがトゥールビヨンのほかにも搭載されているので、
これくらいの厚みがでるのもしょうがない。
この厚みは可動式のラグで装着感などはカバー出来そうだ。
ローターも18Kレッドゴールドで作られている。
とにかく隅々までコストがかかっている1本。
得にムーブメントがIWC自社製のオリジナルのコンプリケーションで、
ケースも18金が使用されている。
宝飾品で値段がつり上がった時計というのは好きじゃないが、
こんな感じで時計本来の価値で上昇した値段というのは致し方ない。
1000万円を越える価格と言うのもIWCの複雑機構搭載のムーブメントを考慮すれば妥当かもしれないが、
なかなか手が出せないのも事実。
ダヴィンチとしてはかなりかっこいい部類ではある。