
ジャガールクルトのCal.889ベースを載せたマークXII
IWCは美しい腕時計を作ることでも評判が高い時計ブランドですが、他社のムーブメントを使用しているメーカーとしても有名です。
自社製ムーブメントももちろんたくさん作っていますが、価格帯が一気に上がるため、他社製の汎用ムーブメントをIWC用に改変して載せたりしているので、あれだけ美しい見た目ながら低価格で購入することが出来るんですね。
IWCは永久カレンダーなどのような得意分野がありますが、現在は自社製ムーブメントはやや少なめです。
良いムーブメントを作る実力がありながら、あまり自社ムーブメントを低価格モデルには搭載していないのは残念なところです。
そんなIWCなんですが、シンプルなパイロットウォッチのマークシリーズXIIでは、他社は他社でもジャガールクルトの高級ムーブメントを搭載しているというのです。
マークXII Ref.IW324101
1990年代のデザインだということがはっきりわかるデザインですが、このマークシリーズのXIIが今とても人気だというのです。
マークXIまでは自社製ムーブメントを載せていたIWCですが、マークXIIからはすべて他社製の薄型ムーブメントに変更しています。
おそらく経済的な問題だと思いますが、中古価格でもいまマークXIIが群を抜いて高いわけです。
Cal.889と呼ばれる薄型のジャガールクルト製のムーブメントを改変してマークXII用にして搭載したのがこのCal.884/2。
当時経営的に危機的状況にあったジャガールクルトを救う意味で採用したジャガールクルトのムーブメント。
90年代、ドイツのLMHグループの傘下にあった両ブランドは、傘下企業同士助け合っていたみたいです。
ちなみに2000年になると、LMHグループはリシュモングループの傘下に入って今のような構造になっています。
まとめ
そういった感じで、ジャガールクルトに遅れてやってきたクオーツショックなのか、単に危機的状況だったのか分かりませんが、危ない状況だったらしいのですが、ジャガールクルトが無くならなくて本当によかったと思います。
クオーツショック以降も前も時計企業が独立して存在することは難しかったんですが、電池式の腕時計が世界中で人気になったときは機械時計メーカーがバタバタと倒れていきました。
ムーブメント屋さんとして、雲上ブランドにもたくさんムーブメントを供給するジャガールクルトは、自社でも非常に美しい腕時計を作っています。
IWCが好きな人はジャガールクルトも好きなくらい、ドレス系という意味でいろいろと共通点がある両ブランド。
世界的にムーブメントの評価がすごく高いジャガールクルトのムーブメントを載せたマークXIIの価格が高騰しているのも、時計好きならうなずけるんじゃないでしょうか?
その他のマークシリーズと比べるとやはりルクルト製を載せたモデルの方がなんとなく心地よいですからね。
というわけで、、ジャガールクルトとコラボしたマークXIIについてでしたが、36ミリサイズと言うのも歴史を感じられる大きさでマニアの心をくすぐるんじゃないでしょうか?