
オメガの開発力には近年、目を見張るものがある。
90年代のコーアクシャル機構を実用的にした技術力や、
セドナゴールドと呼ばれる、オメガが独自に生み出した独特の色の濃いレッドゴールドは、
存在感の強い色合いをしていてとても綺麗だし、特許も取得している。
その他にもナイアードロックと呼ばれる閉じた時の蓋の位置がいつも定位置にあるのに、
最後まで締まりきっていて、600mの防水を実現するねじ込み蓋の特許や、
セラゴールドと呼ばれるセラミック製のベゼルリングに、
ゴールドを足したセラゴールドベゼルなどなど、
僕が知らない特許技術が他にもたくさんある。
これまではコーアクシャルやナイアードロックについて少々触れてきたので、
今日はオメガが世界で初めて生み出した、
セラゴールドと呼ばれる加工技術について少々。
例えばこれはセラゴールドと呼ばれるベゼルで、
セラミックがベースになっていることが分かると思う。
見た通りのセラミック素材の塊を削りだして、
ベゼル型に成型したわけで、
それがまず1段階目。
そして2段階目に、
レーザーでタキメーターの数字や目盛に彫り込みを入れます。
出来た溝に今度はPVD加工で薄い金属の被膜を作ります。
そしたら今度はそのベゼルにゴールドで電気鋳造加工を行い、
ベゼルの表面全体にゴールドの被膜を作る。
その後ベゼルの表面を研磨し、
ベゼル上のゴールドの被膜を取り除くわけですが、
溝に入ったゴールドはそのまま美しいスケールとして残るわけです。
こんなに綺麗なベゼルは見たことがない。
こういう感じで、
ゴールドを使用しているのでベゼル自体に価値があるのと、
高い加工技術を使用しているので、コストがかかっている。
セラゴールドベゼルはシーマスターにすでに何種類か使用されていて、
セラミック加工の技術を使って色などを使い分ければ、
いろいろなバリエーションのベゼルが生み出せる。
近年のオメガの開発力をベースに展開されるオメガの最新技術などが詰まった腕時計を見ていると、
無限の可能性すら感じる。
なぜかスペックに比べかなり低く設定された定価。
これらの技術や特許を知ると、
オメガの時計はロレックスにも全然劣らない気がする。
こんな感じで、
オメガは、
ステータスのみを追いかけるブランドではなく、
実用性や時計本来の価値、モノとしてのバリューを追求し続けている。
オメガの時計の価格が緩やかに上昇しているのはおそらくそういう理由から。
パフォーマンスにコストが追い付いている感じ。
話がそれてしまいましたが、
セラゴールドはオメガが世界で初めて生み出した技術で、
どんどんセラゴールドテクノロジーを使用した時計を増やしている。
この技術もオメガ独自のセラミック加工技術がなければ完成しなかったものだ。
これからオメガがどんな技術を開発し、融合させていくかがすごく楽しみだ。
前回僕はシーマスタープラネットオーシャンのナイアードロックシステムについてお話したわけですが、 今回もその話。 …