
1950年代、1960年代はクオーツショックが来る前の、
時計界にとってはかなり大きな世代で、
この時代に現代でも使用されている技術が次々と生まれた。
技術はもちろん、
この世代に生まれた時計のシリーズは現代で、
そのブランドのフラッグシップモデルとなっていることも珍しくない。
オメガのスピードマスターが良い例だ。
1957年に登場し、
1965年にNASAの公式時計になり、
1969年にムーンウォッチとなった輝かしい経歴を持ったシリーズ。
ただ今日お話しするのはスピードマスターではなく、
同じく1950年代に生まれたコンステレーション。
1952年に誕生し、
クロノメーター認定を受けたムーブメントを搭載した、
高性能ウォッチとして話題となったモデル。
ただここで、商標権の問題が起こる。
オメガの最大の市場であったアメリカでは、
『コンステレーション』
という名前を商標権の問題で使用することが出来なかった。
そのため、
初代コンステレーションは、
そのモデル名を記さず、テーマとなっているロゴの星のみを6時位置に配した形で誕生した。
その後はコンステレーションの代わりになる名前として、
『グローブマスター』
が使用されたわけですが、
その後すぐに、コンステレーションの商標権が期限切れになったので、
グローブマスターという冠した初代コンステレーションも短期間しか作られなかった。
そういう経緯からコンステレーションから、
グローブマスターという名前が生まれたわけですが、
この商標権の問題から、
コンステレーションにグローブマスターと呼ばれる派生モデルが誕生した。
このモデルは1952年の初代コンステレーションを復刻させたモデル。
商標権の問題で生まれた『グローブマスター』の名前を復刻版のセコンドネームにし、
現代のコーアクシャルムーブメントでよみがえらせたドレスウォッチだ。
39mmのステンレスケースにタングステンの超合金をベゼルに配したモデルで、
ギザギザハートのフルーテッドベゼルが特徴的。
山になっている部分はやはりぶつけると凹んだり傷がついたりしやすい。
そういう点でベゼルにセラミックやタングステンなどを使用しているのは本当にありがたい。
僕は以前、所有していた機械時計をぶつけてケースに深い傷を負い、
心にも傷を負った過去があるので、こういう仕様は実にありがたいw
これは搭載しているコーアクシャル機構付きのムーブメントで、
Cal.8900と呼ばれる超耐磁時計だ。
どのくらいすごいかというと。。
MRIのマスィーンwがあるのをご存知でしょうが、
あの機械から発する磁力ですら時計に影響しないというくらいすごい。
その秘密がムーブメントに使うパーツに非金属物質をたくさん使用しているから。
緩急針を使用しないフリースプラングテンプですらシリコンで作られている。
通常の耐磁時計はケースを2重にして時計を守る構造なので、
ムーブメント自体を非金属物質に近づけるという考えはすごく新しいわけです。
そのメリットとしてオメガは耐磁時計にも関わらず、シースルーバックを採用することに成功。
綺麗なコーアクシャルムーブメントを覗くことが出来る。
ムーブメント自体を耐磁にすることでローターやブリッジ、
その他の機械パーツのデザインなどでも他社と差別化できるわけです。
裏面からも時計を楽しむことが出来るのが嬉しい。
この高精度で高耐磁性をもったムーブメントを搭載したコンステレーショングローブマスターは、
世界で初めてMETASの『マスタークロノメーター』の認証を受けた腕時計で、
精度、防水性、耐磁性、耐衝撃性などなど、
あらゆる面で高い精度を保証された腕時計の第1号ということになる。
- ケース直径: 39mm
- ケース厚: mm
- ムーブメント: 自動巻きCal.8900
- パワーリザーブ: 60時間
- ケース素材:
- 防水性: 100m
- 耐磁性: 15000ガウス
スペックはこんな感じ。
防水性やパワーリザーブの数値は普通より少し高いくらいですが、
以上に高い耐磁性や精度などが魅力的な1本。
何よりも綺麗なドレスウォッチ。
これは同じくステンレスのモデル。
違うのはブレスレットタイプという点。
ベゼルは同じくタングステンの硬いやつ。
ブレスレットの形状は真ん中のプレートが幅広のモデルで、
昔の50年代のスピードマスターのブレスレットのデザインを彷彿とさせる。
これは同じスペックでも文字盤の色が違うモデル。
標準では綺麗なグレーのレザーストラップが装備されたモデル。
都会的な印象を受けるきれいな1本だ。
僕が昔購入したグレーのアリゲーターストラップに似ているので、
なんだか懐かしさを感じる。
これはそのステンレスブレスモデル。
全体的に丸みを感じる1本。
白い文字盤にステンレスブレスという組み合わせがオーソドックスで、
その謙虚さがまた良い。
年齢層が少し上という感じの落ち着いたデザイン。
こういう感じでステンレスモデルのコンステレーショングローブマスターについてお話したわけですが、
商標権の問題がなければこのモデルは生まれなかったかもしれない。
このシリーズにはゴールドモデルやゴールドコンビ、
更にはプラチナを時計に使用したレアなモデルが存在する。
あらには年次カレンダー機構を搭載した、グローブマスター アニュアルカレンダーなどもある。
2015年に新たに誕生した派生モデルが今後も長く続きそうだ。