
パネライは1990年代にマーレ・ノストゥルムというパネライらしくないモデルを出しています。
パネライらしくないというのはデザインがまるっきりパネライの伝統であるクッションケースとは似ても似つかないから。
だいいちクロノグラフというのもパネライにはあまりイメージがありません。
パネライのクロノグラフはだいたいがコラボモデルで登場しています。
ゼニスのエルプリメロなどとコラボしたモデルでは当然クロノグラフですが、
あとはオメガとのコラボも幅を広げればクロノグラフ。
その中でというか、それ以前なんですが、
パネライが現在の形で時計を製造する少し前の1990年代にマーレ・ノストゥルムと呼ばれるモデルを出しています。
例えばこれ。
これがパネライなんですけど、
その数の少なさや、
1998年に正式に時計製造が始まったんですが、それ以前に作られたモデルというので、
人気と希少性が高いわけです。
いろいろな国内外のサイトで作られたのが1993年、1995年、1997年からと言われていて、
どれが本当かわからないのですが、一応すべてに共通するのはパネライが今のように形でブランドを運営する以前であることは間違いないようです。
さーて今週のパネライは伝説的な3本。 マーレ・ノストゥルムと呼ばれる、一見パネライとは思えないクロノグラフにつ …
それで、この伝説的に人気があるマーレ・ノストゥルムなんですが、
そのあまりの人気から、パネライが復刻版をまたもや登場させました。
これが復刻版。
PAM00716と呼ばれるリファレンスが新たに与えられた復刻版です。
見た感じは瓜二つですが、
文字盤中央の輪があるなしなのがちょっと違います。
あと、タキメーターも、微妙に違う。
『Km/h』と『TACHYMETER』がその違い。
この辺でも完全には同じにしていないようです。
ただ雰囲気が同じなので、そこがポイント。
マニアの人はこの復刻版よりも、オリジナルの方じゃないと満足しないと思いますが、
パネライの現行モデルにはなかったモデルの復活なので割と注目が集まっている作品。
さて、現代によみがえったマーレ・ノストゥルムのアッチャイオ 42mm。
アッチャイオという言い方は現代のパネライじゃないとモデル名につきません。
アッチャイオというのは鋼鉄、つまるステンレスを意味するイタリア語。
42mmのケースサイズも当時のオリジナルと同じサイズ。
搭載されているのはオリジナルと同じくETA2801-2にデボアデプラ社のクロノグラフモジュールを組み合わせたムーブメントが使用されています。
Cal.OP XXXIIIと呼ばれる機械で、パネライが他社のムーブメントをベースとする場合はムーブメント名にOPが使用される。
パネライの時計の傾向として、リザーブ時間がとても長い点が挙げられます。
自社製のムーブメントを搭載し始めてからは、
3デイズの72時間が割と普通で、8デイズの192時間というのも結構たくさんある。
自動巻き、手巻き、両方とも自社で生み出し、
ツインバレル、トリプルバレルで稼働時間を飛躍的に長く、使い勝手を良くした時計ラジオミールやルミノールを販売しています。
が、今回の復刻版はオリジナリティを重要視して、ムーブメントはオリジナルと同じモノをしようしているので、
パワーリザーブが極端に短い。
まあそれはしょうがないことなんですけどね。
復刻版で重要なのは、いかにデザインを似せるかと、ちょっとしたコアファン向けには同じムーブメントを使用すれば、
かなり復刻版の意味があります。
マーレ・ノストゥルムを知っている人や、
パネライが欲しいけどルミノールやラジオミールじゃなくて、ちょっと変わったモデルが欲しい人には、
今回の復刻はかなり興味深いはず。
世界限定1000本しか販売されないのもとても良いことだと思う。
見た感じ、ベゼルの幅が広いので、ルミノールのサブマーシブルにも少し似ている気がする。
ダイバーズウォッチであることは間違いないようだ。
ただ防水性は50mと低いので、
潜水作業もそれ以上の深さでは出来ません。
まあ必要ないでしょうがw