
2000年に2世代前の新型Ref.116520の登場で完全マニュファクチュール化したロレックス。
それ以前は他社のムーブメントをデチューンしたモディファイ版を使用していました。
そう、ゼニスのエルプリメロ
2017年現在、去年の新型デイトナ116500LNの登場とともに2世代前という代名詞に書き換わった、
『Ref.16520』
生産を終了してからは珍しい番数のモデルは市場から姿を見せなくなっていきました。
それか高い。。
ロレックスとゼニスの夢のコラボとしてもう2度と出ないかもしれないロレックスとゼニスの合同作品。
エルプリメロ搭載という事実はデイトナマニア、デイマニにもとても好評で非常に人気の高かった世代でもあるのだ。
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これがあの2世代前のデイトナRef.16520だ。
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こっちが先代のRef.115200。
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最後が新型Ref116500LN。
見比べてみると、まあデザインが新っぽくなった新型。
それを除けばあんまり違い分からない。
実際116520と116500LNはムーブメントも共通しベゼルの違い以外大きな違いはあまりない。
前作も2013年ころにはすでに夜光はクロマライトに変更されているし。。
まあデイマニの方からすれば文字盤上の表記やうんぬんかんぬんはとても大きな違いなのでしょうけど。。
話がそれてしまいましたが、
この3つの中で最初のデイトナだけ他社のムーブメントを使っているという点で話を進めていきたいと思います。
ゼニスのムーブメントはテンプが毎秒10振動するいわゆるハイビートと呼ばれるムーブメント、エルプリメロで有名なんですが、
ロレックスも以前はそちらにお世話になっていた。
ゼニスのエルプリメロCal.400に変更を加え、毎秒10振動から8振動にデチューンしたCal.4030をRef.16520に載せていた。
テンプを大型化させることによって安定性を向上させ、調整機構のマイクロステラスクリューからマイクロステラナットに変更することによって、精度を上げることにも成功している。
マイクロテスラナットとは、大きくしたテンプの径の内側にマイクロテスラナットと呼ばれるいわゆる重りを4つ配置することでテンプの動きを調整することが出来る装置みたいなもので、ロレックスが生み出した技術だ。
これによってムーブメントをケースから取り出さずにテンプの調整を行うことが出来る。
この大きな輪の装置全体がテンプだがこの輪の内側に四つナットがついていてこれを閉めたり緩めたりして遠心力の関係で速度を調整する。
内側にあるのは空気抵抗の影響をなるべく受けなくするためだ。
更に中心に向かって伸びるアームは2本から4本に増やされ、テンプもよりぶれなく回転させることにも成功している。
さらには先ほど記述した振動数も毎秒10から8振動に下げ、毎時36000から28800振動へとデチューンさせた。
これは振動による摩耗や消耗を減らし耐久性を持たす試みだ。
一般的に振動数が増えれば精度も向上するようだが、増やせばよいというものでもなく、
先ほどのテンプ周りに加えた変更などで向上した精度もあってか、当然クロノメーター認定のムーブメントに仕上げられている。
つまり、精度と耐久性両方を両立させた素晴らしいムーブメントが出来上がったわけだ。
このことからもロレックスの凄さが少しだけでも分かったと思う。
ゼニスのすでに出来上がった最高峰のムーブメントに改良を加え耐久性まで持たせたロレックス。
ブランドとブランド、技術と技術が合わさった最高傑作のデイトナがRef.16520だったのだ。