
手巻きデイトナは3世代に渡り続いてきた。
1963年の初代モデルから3代目が終わる1988年までの25,6年の間生産された。
4桁リファレンスで展開される手巻きデイトナはエルプリメロを搭載した自動巻きデイトナが登場するまでに、
6種類のモデルが存在する。
- 初代デイトナ Ref.6239 / 6241
- 2代目デイトナ Ref.6262 / 6264
- 3代目デイトナ Ref.6263 / 6265
今回僕がちょっと気になったのが手巻きデイトナ最終型で、
1970年から1988年まで作られた長寿モデル。
3代目はRef.6263とRef.6265と2種類存在するが、
Ref.6263がプラスチックべぜルに対し、Ref.6265がメタルベゼル。
使い勝手などは6265の方が良いが、もうないプラスチックベゼルの希少性から6263の方が人気は高い。
資産価値としての購入もある4桁リファレンスの手巻きデイトナ。
Ref.6263
これがプラスチックベゼルのデイトナRef.6263。
Ref.6265
image by www.7-7maruka.com
こっちがメタルベゼル。
明らかにベゼルの色合いや素材感が違う。
実際全く別世代の時計にも見える。
メタルベゼルのRef.6265は4世代目の自動巻きRef.16520に似ている。
1つの世代に2種類ずつある手巻きデイトナの1,2,3世代はそれぞれ次の世代でその種を受け継いでいる。
例えば1世代目のRef.6239は2世代目のRef.6264を継いで第3世代のRef.6263と続く。
もう1方は初代のRef.6241 => Ref.6262 => Ref.6265という感じで、
プラスチックベゼルの家族とメタルベゼルの家族がいる感じ。
今回僕がお話しているRef.6265はこのメタル家族の3代目、孫のこと。
この6種類の手巻きデイトナの中で一番使い勝手の良いモデルがこのRef.6265で、
1970年から1988年と18,9年生産されていた割には希少性もかなりある。
image by chronograph-seno.com
Ref.6265は37mm径のケースに第2世代から続くムーブメントCal.727を搭載していて、このムーブメントはバルジュー社製のCal.72を独自に改良したムーブメントで、
マイクロステラスクリューという調整装置をテンプに搭載したり、
テンプ自体の径を小さくして振動数を毎時18000振動から21600振動へと増やすことにも成功している。
耐震対策も当時としては最新だったキフ・ウルトラフレックスという装置をテンプに搭載し、
ムーブメントに大幅に手を加えている。
やっていることは今のロレックスと変わらない。
常に最新の技術を搭載しこれでもかと特許技術を開発・投入してくる。
手巻きデイトナと言っても実際あなどれない。
投資目的の購入もありだが、
実用性もかなり高いのがデイトナ。
3世代目にもなるともう割と完成しきっているんじゃないかと思う。
この画像のスタート/ストップとリセットボタンに注目してほしい。
第3世代から始まったこのねじ込み式のプッシャー。
初代、第2世代では普通の一般的なプッシュボタン。
第3世代のRef.6263とRef.6265から始まった現代のデイトナの象徴ともなっているスクリュー式プッシャーは、
第2世代の防水性30mを50mまでに延ばすことに成功している。
文字盤上部にも注目してほしい。
『ROLEX』の下に『OYSTER』の表記がしてある。
これはもちろん防水性が向上したためだ。
今でもロレックスの防水性の最低ラインはチェリーニの50m。
他はほとんど100m防水は保持している。
凄いのは3900mまで潜れるらしいw
image by sumally.com
この第3世代には文字盤の『DAYTONA』表記のあるなしや、
ベゼルのタキメーターの違いなどが存在し、それによって相場が変わってくる。
その相場のことですが、
この3世代目のRef.6265は少なく見積もっても500万円はする。
第3世代手巻きデイトナ Ref.6265 メタルベゼル
確かに今後このモデルが、
ポールニューマンモデルが数百万円から2000万円弱くらいまで値上がりしたように、
1000万円を超えることはあるかもしれないが簡単に買える価格でないのは確か。
ただ実用的でもあり、めちゃくちゃかっこいいこのモデルは喉から手が出る程欲しがっている人がかなり多いのではないかと思う。