
2017年にシードゥエラー誕生50周年を祝って誕生した新型シードゥエラーRef.126600。
デザインは初代の初期にのみ登場する赤シードと呼ばれるモデルにインスパイアされたもの。
2014年に正式な後継種として登場したシードゥエラーRef.116600でしたが、 2017年には生産を終了。 …
新型のシードゥエラーRef.126600が登場するまでずっと白い文字で
『SEA-DWELLER』
と表記されていて赤シードは40年以上姿を消していた。
そのような背景からも今回の新型シードゥエラーの登場は非常に目新しく、
しかも懐かしくもあるはずだ。
これが初代のシードゥエラーRef.1665で、
その中でも初期の1967年から1974年まで生産されたという赤シードと呼ばれるモデル。
1960年代はダイバーズウォッチの技術競争などが盛んで、
各社挙ってあらゆる技術を競っていた。
当然ロレックスもダイバーズウォッチに使用される技術や特許をたくさん保有しており、
初代シードゥエラーの裏蓋にも、
『PATENT SUSPENDING』
という表記がされていたことがあるくらいだ。
日本語に訳すと、
『特許申請中』
という意味。
通常ロレックスは特許を取得後、
その技術を各モデルに搭載するのが一般的だが、
1960年代のダイバーズ技術の開発競争の最中は、
特許申請の認可が下りるのをロレックスも待てなかったみたいだ。
さて、この初代シードゥエラーの赤シードにも当然他のロレックスと同様、
文字盤の詳細な違いや、
ケースの微妙な形状の違いなどが存在する。
当然のごとくこれらの違いは価格などにも影響してくる。
とりあえずマークIからご説明するでござる。
1. マークI
これが赤シードのマークIと区別されているモデル。
何がどうなのかというと、
『SEA-DWELLER
SUBMARINER 2000』
の表記が上の段と下の段で同じ大きさのフォントが使用されているという点。
つまり、
SEA-DWELLERとSUBMARINER 2000が同じ大きさで記されている。
これをマークIと呼ぶ。
1967年のごく初期頃のみに作られたと言われている。
赤シードでこのエディションだと500万円はする。
裏蓋には『PATENT PENDING』と記されている。
2. マークII
次にマークIIと呼ばれるモデル。
これは画像でもおわかりのように、
『SEA-DWELLER
SUBMARINER 2000』
が上下でフォントの大きさが違う。
これをマークIIと呼ぶ。
このモデルの個体も500万円の値がつくだろう。
製造年は1968年ごろから。
『PATENT PENDING』か『ROLEX PATENT』の表記がしてあるものが混在する。
3. マークIII
これがマークIII。
文字盤だけだと違いが分かりにくい。
実は見た目はマークIIとかなりに類似していて、
違う点といえばノーマル(赤シードじゃない)とケースと同じ厚みを持つというのがマークIII。
だんだんとレア感が薄れている感じがわかる。
とはいっても350万円の値はつくだろうと言われている。
裏蓋も『ROLEX PATENT』のみだ。
製造期間は1970年~1974年ごろまで。
4. マークIV
これがマークIV。
この赤シードも文字盤だけではわかりにくい。
ケースの厚みやリューズガードと呼ばれるリューズの上下にあるプロテクターの幅などが、
ノーマルのRef.1665と同じで、
そのまま赤シードが消えていったという感じになる。
というわけで赤シードの最終型がこのマークIV。
製造期間は1973年~1974年。
このタイプも350万円くらいするだろう。
まとめ
画像の個体をそれぞれ見てみても、
紫外線を浴びて変色したものや、
朽ちて傷だらけのものなど、
状態の良いものが少ない。
おそらく実用性の高いロレックスなので、
当時からガンガン現場で使用されていたのだと思われる。
ダイバーズ専用で生み出され、
当時のサブマリーナの3倍の防水性を誇っていたシードゥエラーの初代。
タフで耐久性も高く、
優秀な自動巻きムーブメント1500系を載せ、
かなりの実用性を当時から備えていた。
現在でも十分に通用するスペックと見た目で、
アンティーク感もかなり出ていて人気が非常に高い。
普段使いにしたいシリーズだが、
価格が価格だけに家に飾っておいた方がよさそうでもある。