
1960年代はダイバーズウォッチが大人気で、
時計メーカーがしのぎを削って新しい技術や特許を産み出そうと競うように研究開発に躍起になっていた。
ロレックスは新しいラインナップのシードゥエラーを誕生させ、
当時のサブマリーナの3倍をもつ防水性を誇っていた。
IWCも1960年代には、アクアタイマーと呼ばれるダイバーズウォッチを生み出し、
ロレックスに負けじと時代の流れに乗っていたようだ。
1970年代はクオーツショックで、
時計の開発がかなり遅れた。
これから機械時計の技術的革新が来ると思われていた矢先、
セイコーがもたらしたクオーツショックで、
スイスの時計メーカーがバタバタと倒産していった。
ルパンが着けていたCYMAも弱体化し、
ホイヤーもタググループの傘下に入ってタグホイヤーと社名を変えている。
実は現在のところ時計メーカーが独立して単体で存在している方が珍しい。
どこがグループ傘下になっているかより、
どのブランドが独立しているかを言った方が早い。
ということで、
- ロレックス
- パテック・フィリップ
- オーデマ・ピゲ
- リシャール・ミル
スイスの時計ブランドだとこのくらいしかない。
後はIWCもウブロもゼニスも全部どこかのグループに属している。
1970年代のクオーツショックというのは想像以上に大きく世界に影響している。
もしもロレックスが1970年代に生み出した、
磁力で女性の服を脱がせる機能を持ったサブマリーナくらい、
すごい能力をもった時計を各社生み出していたらこういう事態は免れたかもしれない。
とうのは冗談で、
磁力で女性を服を脱がせるなんて、
ドラえもんの道具を借りたのび太かジェームズボンドがしそうなことである。
そう、ジェームズボンド。
これがロジャームーアが、
『007/死ぬのは奴らだ(Live and Let Die)』
で着用していたサブマリーナRef.5513。
映画の中では、
ボンドに向けて発射された弾丸を、
強力な磁場で方向を屈折させ、
ボンドに当たらないようするという、
近未来的な、SF的な能力を持った時計になっている。
ロジャームーアが実際に映画で着用していたモデルがスイスのジュネーブでオークションにかけられ、
日本円で4500万円の価格で競り落とされたらしい。
それだけロレックスと映画俳優着用モデルには人気がある。
それが組みあわせられるとすごい値がつけられる。
そういう意味でもロレックスのサブマリーナは男性に人気がある腕時計になっている。
確かにだれだれ着用という風に書かれていると、
好きなアイドルや有名人ならちょっと興味が沸いてしまう。
僕は好きな芸能人は別にいないが、
次元大介が着用していたENIT(ZENITH)のエルプリメロが搭載されたクロノグラフはやっぱりずっと気になる。
サブマリーナなら誰が着用したかなんて関係なく勝手に売れるだろうが、
こういうのはやっぱりニュースになるしマイナスの要素にはならない。
Ref.5513は1963年~1989年の25年間、かなりの長い間製造されている。
それゆえに同じモデルでも値幅が大きかったりする。
ケースや文字盤に小さな変更が加えられたりして、
希少性のあるモデルには数百万円の値が付けられる。
こういうNATOストラップモデルのようなやつ。
そういえばロジャームーアが着用していたのもNATOストラップだった。
まあでもこういう”通常”のレアモデルは、
ロジャームーア着用モデルほどはしないが、
やっぱり高い。
ロレックスのアンティークモデルを手に入れるにはそうとうな予算が必要だ。