
ロレックスのアンティーク時計に家以上の価値が付くことがあることがデイトナの手巻きで証明されましたが、
現代のラインナップにないモデルもロレックスにはたくさん存在する。
オイスターケースが完成し、
その名を世界に轟かせたロレックス。
快進撃は今の今までずっと続き、
時計の歴史としては古い方ではないのですが、
名実ともに世界一の時計ブランドとして世界中に認知されている。
そんなロレックスには他のブランドにはない究極の人気が備わっている。
ロレックスの人気は他社ブランドの比ではなく、
世界で一番人気のある時計を生み出している会社なのだ。
というわけなので、
時計の個体差を色々見つけて、いつの年代にどこの生産ラインで作られたものなのかなどが、
熱心に研究され、
文字盤やベゼルの違いなどがマークなんたらとかでいろいろ細分化されたりしている。
それくらい新型にもヴィンテージモデルにも人気があるわけですが、
今日はそんなロレックスの現行モデルのラインナップにのっていない、
オイスターケースのアンティークモデルについて。
Ref.3668とよばれるクロノグラフ。
オイスターケースを携えた、
オイスタークロノグラフと呼ばれる、機能をそのまま名前にした昔のネーミングが特徴的。
一見ロレックスには全く見えない見た目の腕時計。
1940年代に生まれた腕時計で、
まだブランドの方向性なども決まっていなかったの時代なのかもしれません。
時計自体の大きさは36mmと、
現代では全く大きくはないのですが、
当時はビッグクロノグラフと呼ばれていた。
中に搭載しているムーブメントは、
ご存知バルジュー社製のCal.22と呼ばれる、懐中時計をベースにして作られたムーブメントを改良したCal.13とよばれるもの。
14型と呼ばれる32.9mm径のムーブメントをベースとして使用していたため、
改良版のCal.13も大き目なムーブメントなのだ。
それがビッグクロノグラフと呼ばれていた所以。
行ってみれば懐中時計を腕時計にしたポルトギーゼのような感じの時計。
このCal.22と呼ばれるムーブメントは、
クロノグラフの伝達方式の基本設計が優れたキャリバーで、
現代のクロノグラフムーブメントの基礎的な機械と称される名機なのだ。
そんなムーブメントに徹底的に改良を加えたムーブメント、
Cal.13が入ったRef.3668の特徴として挙げられるのが、
ゴールドのベゼル。
実はこれ本物のレッドゴールド。
よくある14Kのメッキとかではない。
本物の18Kでバブルバックに使用されたベゼルと同じ型。
経年変化で傷みのある文字盤や、
昔ながらのリューズやプッシャーの形状。
ヴァルジュー社の手巻きクロノグラフムーブメントCal.22などなど、
堪能できるポイントが山ほどあるモデル。
もはや存在しているかどうかもわからないのですが、
まあどこかにはあると思いますが、
市場にはほとんど出回ることは無いと思われる1本。
あったとしても500万円以上の値がつけられているという現実。
年とともに売値は上がっていくかと思われる。
最後にこの時計の凄いところを少しだけ。
1940年代に作られた腕時計であるにも関わらず、
パーツは面取りされ、
ヒゲゼンマイもソフトメタルが使用されすでに耐磁性を持った構造をしていたのだから驚き。
耐震装置であるキフショックも搭載し、このころからロレックスはロレックスだったのだ。
冒頭でまだ方向性が決まっていなかったのかもしれないと述べたのですが、
このころから時計作りに対する信念や向かうべきところはどうやらはっきりしていたようだ。
1940年代のロレックスの動画です。
うーーむ。