
現代の自動車メーカーは、例えば一つのセダンのサイクルを7年くらいマイナーチェンジなどを含みながらですが販売し、7年,8年もしくは9年くらいで新たなモデルに変更します。
最近ではだいたいそんなサイクルになっていますね、国産車や外車でシリーズ的なものを設けている車メーカーは。
そのくらいでみんながデザインに飽きてくる頃なのかもしれません。
腕時計に限ってはそういった決まったようなサイクルがあまりありません。
売れ続ければずっとそれを販売するし、何か新たな技術が出来ればそれを機にシリーズをアップデートすることもあります。
時計と車のデザインの古さを感じるスピードは違い、車ではより早くデザインに野暮ったさを感じる傾向にあるようです。
腕時計では変更する部分があまりに小さかったり、メインストリーム的なものが弱かったりしますから、世代交代しても前のモデルと比べどちらが新しいモデルかわからないことが結構あるんですね。
ロレックスなんかは変更前と後の違いが判らないことが多いです。
デザインをあまり変えないブランドですから、新旧モデルの人気がバランスよくどれも高いんですね。
ですからモデルチェンジの頻度もかなり適当だったりします。
20年続くロングセラーもあれば、4年で終わるモデルもありますw
過去の時計作りの中ではあまり固定的なマーケティングを行っていないのはわかるんですが、現在でも不定期でモデルチェンジが行われたりしていて、硬派なイメージを持つロレックスですが、気まぐれ的な一面も持ち合わせています。
最近ではシードゥエラー4000 Ref.116600が2014年に誕生して2017年には世代交代しているし、シードゥエラー ディープシー Dブルー Ref.116660も4,5年で姿を消しています。
そういったことが結構見受けられます。
1955年に誕生したGMTマスターの初代 Ref.6542は1959年に世代交代していて、その後の2代目は1959年から1979年の20年間というロングセラーを記録しました。
20年もひとつのモデルを販売し続けるとロレックスの場合では、かなりのマイナーチェンジが投入されてきます。
マイナーチェンジではデザインや機能的な変化が容易に確認できるんですが、中には比べてまじまじと見ないとわからない微小な違いもあります。
そうなるともはやプロじゃないとわからないレベルになったり、歴史的なことと照らし合わさないといけなかったりといろいろ奥が深いのです。
2代目GMTマスター Ref.1675 1959年~1962年の個体
僕は最近GMTマスターの新型モデルの発表を機にいろいろGMTマスターについてみていました。 するとこのシリーズ …
2代目GMTマスター Ref.1675 1962年~1967年の個体
GMTマスターが生まれたのが1955年のこと。 もうすでに60年が経っているんですね。 早いものです。 それよ …
こちらで希少な個体について書いているので良ければ参考にどうぞ。
それでですね、今日はそんなGMTマスターの2代目のモデルの中でもかなり貴重なディテールをもったモデルの特徴についてお話ししたいと思います。
ある程度のことは上記の記事でも書いているんですが、貴重な特徴が組み合わさったとき、そのプレミア性はぐんと高まります。
というわけで、、
ミラーダイヤル + アンダーバー + ダブルスイス
image by www.vintageandarchives.com
ミラーダイヤルはGMTマスターだと1967年まで作られていたのでさほど希少性はないんですが、それにアンダーバーとダブルスイスが加わると極レアモデルに進化します。
アンダーバーとは『SUPERLATIVE CHRONOMETER OFFICIALY CRTIFIED』表記の下に短めの線が入っているやつのことなんですが、これが入っていると希少性が上がります。
さらに6時位置にある『SWISS』表記の下に小さく別フォントで『SWISS』と表記された個体であるダブルスイスが加わるとGMTマスターのなかでも激レアの1本になるそうです。
このアンダーバーの意味なんですが、夜光塗料をラジウムからトリチウムに変更したころに散見されることから、トリチウムを使用しているよというサインであると言われています。
その後、SWISS表記が『SWISS – T < 25』に変わり、トリチウムを使用していることが正式にわかるようになりました。
ミラーダイヤル + ダブルスイス(SWISS – T < 25)
image by www.rolexforums.com
アンダーバーの代わりに正式にトリチウム表記がされるようになってもダブルスイス仕様がいくらか作られています。
『SWISS – T < 25』と『SWISS』が表記されているんですが、『SWISS』が2つあるダブルスイスよりも後に登場したのがこのダブルスイス。 これらの文字盤が採用されていれば激レアと言える個体なので、見つけたらちょっと真贋を見極めたいところです。 これらのサークル無しのモデルでは『OYSTER PERPETUAL』表記の間にハイフンが入っていないのが正式な文字盤なので、そこも真贋を判断するポイントとなるようです。 上記で挙げたポイントの他にも、溝が深いコインエッジのベゼルやPCGと呼ばれるポインテッドクラウンガード、つまり角ばったリューズガードが備え付けられていたり、初代にも採用されていたインデックスの丸や四角が内側に位置したラジアルダイヤルも価格に反映する基準となります。 基本は上でお話ししたダブルスイスが激レアなんですが、中にはPCGじゃなくRCGのリューズガードがあったりラジアルダイヤルじゃないのもあるかもしれませんから、その辺は909さんなどのプロにお話しを聞いたほうがいいでしょうね。 というわけで、GMTマスターの激レアダイヤルについてでした。