
シンプルイズザベストというけれど。
本当にベストなのか?
僕の答えはイエスに近い。
必ずしもシンプルなのがいいとは限りませんが、シンプルなデザインの時計にはやはりかなりいい部分が隠れています。
若いころはシンプルな腕時計がいいと思うことが多いし、そのあとは少し遊び心を味わいながら、年を取ってまたシンプルな腕時計に戻る。
年齢を重ねた場合に戻るシンプリシティは少し高級志向であるのが僕が目指すところです。
さて、こういった原点回帰は人間にも頻繁に見られるように、時計界、時計メーカーにもちょこちょこ見られます。
今日はそんな原点回帰をテーマとしてモデルについてみていきましょう。
IWC インヂュニア オートマティック Ref.IW357002
例えばIWCのインヂュニアなんですが、これまでのインヂュニアを知っている人は新型が最近登場した新型と雰囲気がまるで違うことに驚いたんじゃないでしょうか?
僕はその一人。
でも逆になんだかうれしかったんですね。
これがこれまでのインヂュニアの基本的な形。
ラグがないケースで、多角形を纏ったどっしりとした印象だったんですが、新型は画像のとおり丸形で非常にすっきりした印象を与えます。
初期ごろのインヂュニアのスタイルに倣った感じです。
インヂュニアと言えばこれまでもベゼルは丸かったんですが、特徴的だったベゼルに空いた丸い溝穴が新型ではすっきりなくなって、かなりドレス系に近いモデルになったことで、IWCらしさがさらに増しました。
これが僕がうれしかった部分。
新型になってIWCのブランドコンセプトにより近くなった感じがします。
というかそのまんまIWCですよね、これは。
IWCのスポーツモデルはポルシェデザインとかジェラルドジェンタさんとか、かなりスポーツ系が入っていましたから、新型になって本当にIWCが戻ってきたという感じです。
インヂュニアはもともと耐磁性を持った腕時計として登場したんですが、その後はレーシングウォッチというようなイメージが持たれ、もっぱらスポーツの時計だったんでしたが新型の登場でイメージががらりと変わりました。
ケースサイズは40ミリで、ブレスレット素材を纏っているのも僕が好きなスペック。
このモデルにはCal.35111が搭載されていますが、これはセリタベースのムーブメントなので価格もかなり抑えられています。
ここで好き嫌いが分かれそうですが、IWCの安さの原因はこの辺にあります。
ムーブメントでETAやセリタベースとしている場合は美しさに関係なく安かったりします。
逆にチャンスなんですけどね、IWCの場合。
綺麗な腕時計が安価で買えるのでポルトギーゼなんかかなりおすすめです。
というわけでインヂュニアの新型モデルでしたが、なかなかですね、これは。
定価が62万円くらいですから、おそらく50万円くらいにはなるんじゃないでしょうか。