
前回僕は、
ブライトリングがなぜETAなどの汎用ムーブメントを多用するのか、
なぜCal.B01などの優秀なクロノグラフムーブメントを作る技術力がありながら、一般的に汎用だと低く評価されるムーブメントを使用するのか、
と言うことについてお話ししました。
2019年は割と記念年となる時計メーカーが多いかもしれません。 例えばオメガ。 1969年にNASAが世界で初 …
ブライトリングには自社で素晴らしいムーブメントを作る能力がありながら、汎用ムーブメントを使用して、時計を安価で提供するのにはケイザイメン以外にも理由があったんですね。
さて、そんなわけで、上記の記事でも紹介しているんですが、今日はヴィーナス社の手巻きクロノグラフムーブメント Cal.178をトウサイシタブライトリングのある1本について、ヴィーナス社と歴史も交えながらお話ししたいと思います。
ブライトリング Co-Pilot Ref.765CP
このモデル。
1924年に創業されたヴィーナス社。
ムーブメントを卸したメーカーが自社用にカスタマイズ出来るように未完成のままにしてあるムーブメントをエボーシュと言いますが、
ヴィーナス社は当時、手巻きクロノグラフムーブメントの名手として存在していました。
創業してから順に、タテ2つ目のクロノグラフ、横2つ目のクロノグラフなどを開発していき、1942年にはブライトリングの初代クロノマットにもCal.150をベースとしたCal.175が載せられます。
その後10年してから登場した初代ナビタイマーには、Cal.175に12時間積算系を追加したCal.178が載せられます。
こういった歴史からもわかるようにブライトリングは後にETA社の一部となるヴィーナス社と、運命を共にしてきました。
ですが、残念なことにヴィーナス社は1966年にバルジュー社にとって換わります。
その辺のことは上記の記事でもお話ししているので今回は省略。
さて、そんなわけで今回紹介しているモデルは、1960年代中盤に販売された貴重なモデルなんですが
6時位置に12時間積算計がついているように、Cal.178が載せられた1本。
ヴィーナス社最後のムーブメントではありませんが、倒産前ごろまで作られた当時としては大きかった41mmのケースのパイロットウォッチなんですね。
見た感じすごくアンティークっぽくて傷んでいたりしますが、なかなかマニアが喜びそうな1本です。
特にヴィーナス社と言えばマニアックなムーブメントメーカーですから、割とたまらないモデルなんじゃないかなと。
ダイヤルも逆パンダで、ムーブメントも美しいまさにヴィーナスのよう。
まとめ
というわけで、まとめです。
なかなかパイロットマニア、ブライトリングマニアが喜びそうなモデルですが、みなさんはいかがでしょう?
モデルデザインよりもヴィーナスのCal.178の方が気になるというかたも大勢いらっしゃると思います。
確かにカム式ではなく、コラムホイールを採用しているところや手巻き式であるところが興味をそそられるところでありますからね。
というわけで、ヴィンテージ品などが好きな人も必見なブライトリングの1本でした。
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