
2019年、突如として廃盤が決まった、大人気ポルトギーゼのクロノグラフ。
3714シリーズと言われるやつで、6桁のリファレンスが与えられためちゃくちゃかっこいいシリーズです。
3714の後に2桁の数字が来て、文字盤や素材などの違いがそれぞれ分かるのですが、
例えば、371404はこういうモデルです。
下二桁の数字に意味があるわけではなく、それぞれの種類に数字が割り振られているだけなんですね。
ロレックスならこの辺りきちんと体系化しているので、わかりやすかったりするんですが。
まあ、そんなことはどっちでも良いんですが、僕は去年3714シリーズがディスコンになることをお話ししました。
つまり、廃盤ということです。
みなさん、悲しいお知らせが入ってきました。 なんとですね、IWCのフラッグシップモデルとして、また一番人気の腕 …
こちらの記事でも書いているんですが、何が原因なのかと言うと、ムーブメントの問題ですかね。
2020年からはスウォッチグループ以外はETA社のムーブメントが使用出来ないという取り決めが行われました。
ETA社はスウォッチグループの酸化になっている企業で、これまで非常に多くの時計メーカーにムーブメントを提供していたんですね。
実際ETAのお世話になったことがないメーカーのほうが少ないんじゃないかというくらい、ETAには多くの時計メーカーがお世話になっています。
ですが、オメガやブレゲさ属するスウォッチグループもこれ以上はETAはやらん!と申したので、各社自社製ムーブメントをこしらえなくてはならなくなったんですね。
それかユニタスなどのムーブメントを使用するか。
そういう感じで、スウォッチグループ以外の多くの時計メーカーが、ETAを使用できなくなり、その中にIWCのポルトギーゼも含まれていました。
1998年に登場し、20年以上も大人気商品としてIWCというブランドを牽引してきたポルトギーゼクロノグラフを無くすのはあまりにも惜しい。
ということで、3714シリーズがディスコンとなった今、新型のポルトギーゼが2019年末に還ってきたんですね。
とは言え、外観はこれまで通りです。
image by www.jw-oomiya.co.jp
左から、IW371605、IW371604、IW371609、IW371610です。
あんなに売れた名作のデザインは当然変えていません。
IWCは2020年以降はETAのムーブメントを載せることが出来ないので、2018年にIWC創立150周年を祝った時に発表したポルトギーゼに載せたムーブメントを、今回の新作ポルトとギーゼに載せることにしたのです。
バーゼルワールドよりも2か月も先にSIHH、ジュネーブサロンが開催されました。 やっぱりこういうのは先にやった …
こちらの記事で2018年の新作のポルトギーゼについて書いているのですが、このモデルが標準モデルになった感じですね。
もちろん、今回の新型の量産型の方はラッカー仕上げの文字盤や裏蓋の刻印などは記念モデルとは差別化されています。
要は旧型のデザインに、150周年に使用されたIWC自社製の自動巻きムーブメントが内蔵されている感じですね。
おそらくこれは売れるでしょう。
これまでのポルトギーゼは確かにかっこよかったのはかっこよかったのですが、デメリットはやはりETAの改良型のムーブメントを使用しているところでした。
決して悪いムーブメントではないんですが、量産された汎用ムーブメントであるため、価値的な面を考えると、やはり世間的な評価はあまりよくありませんでした。
そういったネガティビティを凌駕する見た目があったので、僕は全く気にならず普段からガシガシ使っていたのですが、今回世界的に評価の高い『自社製ムーブメント』を搭載しているので、ポルトギーゼの価値は、経年による希少価値的なことは除いて、それまでのものよりも良いものになることでしょう。
災い転じて福となすと言った感じですかね。
僕はこの2019年の暮れにムーブメント変更のみですが、新型として登場したこのポルトギーゼのシリーズが、2020年はすごく人気が出るものだと感じています。
もちろん爆発的人気が出るものではないでしょうが、裏蓋はシースルーバックになったことで、自社の自慢のムーブメントが覗ける仕様になっていることもあり、じわじわと人気が出ていくのではないのかなと思っています。
これまで以上に。
2020年1月の現段階ではまだ4種類しか発表されていませんが、おそらくこのシリーズには多くのコラボモデルが登場するはずです。
そして、文字盤のバリエーションや素材のバリエーションが増え、よりニーズにあったモデルをニッチに展開していくでしょう。
自社製ムーブメントにすることで、IWCは1本1本の価格を釣り上げることが出来ます。
自社製ムーブメントはやはり希少価値という面で、それだけ価格が上がりやすいからです。
今回の2020年問題は多くのメーカーにとっては確かに頭の痛い出来事でしたが、結局は自社製ムーブメントをつくった資金力のあるメーカーは、得をするんじゃないかなと思ったのでした。
今回、必要に迫られて、自社製ムーブメントを新たに開発したところは他にも存在すると思いますが、ムーブメントを開発する上で、いろいろな派生ムーブメントのアイディアなども生まれることでしょう。
もともと手巻きムーブメントや永久カレンダーに強いIWCですから、これからは、全ての腕時計の自社製化が進んでいくのではないかと予想しています。
ロレックスのブランド価値が高いように、IWCもまた、1シリーズ1シリーズを自社製化、内製化していくことで、時計の価値が上昇し、ゆくゆくはブランドの価値も今のものよりもさらに凄いものになるんじゃないかなと思います。
ポルトギーゼの次は、ポートフィノなどから進めていってほしいですね。
というわけで、自社製化したポルトギーゼの2019年暮れの新型でしたが、見た目は同じです。
そして定価/価格はステンレスモデルが、874,500円でゴールドのモデルが1,969,000円だそうです。
ポルトギーゼのSSモデルもいずれは100万円を超えるでしょうね。
さて、大人気のIWCポルトギーゼ。 そのポルトギーゼの3714系が全て廃盤になることが発表されました。 まあお …
ちなみにディスコンになった3714シリーズを愛用している芸能人についてはこちらの記事で書いているので、気になる方は一読どうぞ。
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