
クロノグラフ、クロノグラフ、といっても、時計マニアの人には手巻きが自動巻きかでもまた大きく違います。
自動巻きのクロノグラフは限られた小さなスペースに部品を詰め込むためピラーホイール式ではなく作動カム式を採用していることが多い。
高い精度を求める自動巻きのテンワは小さくなっていることも多く、よりスペースを有効的に活用するようなスタイルになっています。
それらの逆を行くのが手巻き式のクロノグラフで、時間や精度というよりは目で見て感動する芸術的な要素を持っているのがハンドワインド式なのです。
今日もまた、手巻き式クロノグラフでおすすめのモデルを紹介したいと思います。
ジャガールクルト デュオメトル クロノグラフ 18KPG Ref.6012421
こういうやつ。
コスパ的には前回何度かにわたって紹介している、ヴァシュロンコンスタンタンやパテックフィリップ、ランゲ&ゾーネのクロノグラフに比べれば、格段に良い。
A.ランゲ&ゾーネ ダトグラフ アップ/ダウン 18KPG Ref.405.031・両面で楽しむ手巻き式クロノグラフの歴史と存在理由
ヴァシュロンコンスタンタン・牛の角をテーマとしたラグを持つ1955年の名作 Ref.6087をベースとしたヒストリーク コルヌ ドゥ ヴァッシュ 1955 Ref.5000H/000P-B058
パテックフィリップの手巻きクロノグラフ・クロノグラフ 18Kホワイトゴールド ホワイト Ref.5170G-001、ブラック Ref.5170G-010・クロノグラフの歴史を少し辿ってみる。
雲上ブランドはクロノグラフだけで1000万円前後するわけですから、ジャガールクルトの今モデルのように手巻きクロノグラフにパワーリザーブインジケーターやフドロワイアントが入っても定価で600万円しません。
販売価格は400万円台で収まると思います。
もちろんこのモデルも18KPGを使用していて、条件はあちらの雲上モデルと同じ。
さて、この手巻きクロノグラフの良さを申しますと、このモデルではエネルギーをためる香箱が2つ載せられています。
精度を劣化させないためだ。
一つの香箱で時間を計るエネルギーを供給し、もう一つ方はクロノグラフ用に使用されています。
輪列も独立させてあり、時計の精度自体をクロノグラフを使用しても落とさないように工夫してあります。
向かって右側にあるインダイヤルが計測時間用、左側にあるのが時刻用。
針がそれぞれのサブダイヤルで2本ずつあるのは、クロノグラフの積算計は2本の針で経過時間が時刻を読むように設計されているからです。
右側の積算計が2時30分なら計測し始めて2時間30分たったという意味なんですが、こうするとインダイヤルの数が減らせるので、他の機構を搭載することが可能になります。
そして6時位置にあるのがフドロワイアントと呼ばれる1/6秒を計測する機構。
1秒で1周するわけですから、とてもせわしなく動いている。
肝心のムーブメントはこんな感じ。
少し覆われた部分が多くて中の機械の動きが見えにくいですが、きれいなムーブメントはさすがジャガールクルト。
マニュファクチュールとして他社にムーブメントも供給するムーブメント屋さんですから、同社が生み出すキャリバーは最高品質。
世界屈指の技術屋ですから、特殊なレイアウトや構造はお手の物です。
というわけで、手巻きクロノグラフの候補としてジャガールクルトもまたおすすめ。