
シンプルなドレスウォッチが好きだけど、シンプルすぎるドレスウォッチは好きじゃないという人がいます。
僕もその一人。
カラトラバは確かにドレスウォッチとしては究極的な意味を持っていると思いますが、デザインが少々退屈といえば退屈。
まだ玄人の域に達していないということでしょうね。
年齢が高くなれば腕時計に求めるものも少なくなってきます。
というよりは、腕時計にシンプリシティを求めるということかな。
シンプルなドレスウォッチだけど、少し柄やデザインが欲しいというのは矛盾していることではありません。
現代の機械式時計で一番人気なのがスポーツラグジュアリーと呼ばれる部類の腕時計。
スポーツなのにラグジュアリー、ラグジュアリーなのにスポーティという矛盾したようなテーマが組み合わさったタイプの腕時計がテーマになっています。
テーマとテーマが融合した新しいタイプの腕時計が現代では流行っていますが、それは素材でもいえること。
ステンレスケースにセラミックベゼルというスポーツウォッチが最近の定番となっていますが、そういったいいものといいものを融合したタイプの腕時計が需要があるみたいです。
それはパテックフィリップのカラトラバというドレスウォッチの完成型と呼ばれるシンプルな3針時計にも言えることかもしれません。
これまでに僕は何種類かカラトラバのタイプについてお話ししてきましたが、どれもがシンプル極まりない極上のドレス時計でしたが、今日は5296の派生タイプのモデルをご紹介。
38ミリの『Ref.96 クンロク』後継種、カラトラバ 5296シリーズ・18Kレッドゴールド Ref.5296R-010、18Kホワイトゴールド Ref.5296G-010
これが前回お話しした5296なんですが、このモデルに少し手が加えられた文字盤タイプのものが存在します。
カラトラバ 18Kレッドゴールド Ref.5296R-001
カラトラバ 18Kホワイトゴールド Ref.5296G-001
これら2モデルほど。
5296と普通のモデルとスペックは同じです。
違うのは文字盤デザインと針の形だけ。
これだけでがらりと印象が変わりますが、このほうが断然好きという人もいると思います。
僕個人的には針はこれでいいんですが、ダイヤルがギョーシエとかになってればよかったかなと思います。
パテックフィリップはカラトラバという素晴らしい作品がケース、針、ムーブメントで生み出されていますが、文字盤が少々プレーンすぎる場合があります。
それがカラトラバの売りなのかもしれませんが、もう少し文字盤に趣向を凝らしたタイプのモデルも出せば人気が出るんじゃないかなと思います。
というわけで、前回お話しした『クンロク』の遺伝子を受け継いでいるモデルでは一番クンロクに遠いスタイルをしているんですが、パテックフィリップらしいいい作品だと思います。
文字盤のおかげでややスポーティ感が出ているところもこのタイプの特徴です。
上記でお話ししたようにエレガンスとスポーツが融合するとすごく人気がでますから、このモデルも5196ほどの人気は出ないにしてもコアなファンがつきそうです。