
硬さの基準を表すモース硬度。
0から10であらわされる硬度では数値が大きくなればなるほどその素材が硬くなっていくことが分かります。
近年多用されるようになったセラミック素材はステンレスケースの腕時計のベゼルに使用されるようになってきています。
それだけではなく、ケースそのものにも使用しているケースがありw、いやいやシャレじゃないですよw
ケースにも使用しており、加工技術が向上したためいろいろな成型や掘削が出来るようになりました。
モース硬度9というとてつもなく硬い素材のセラミックを掘削するという作業は新しい技術無くしては難しかったわけですが、新素材の技術屋や素材を加工する技術が機械産業や航空産業などでどんどん発達していますから、腕時計にも自然と応用されるようになります。
モース硬度9の素材を削ったりするにはそれよりも高いモース硬度を持つダイヤモンドでしかできないため、セラミックを形作るには非常に手間と高い技術とコストが必要となるわけです。
オーデマピゲ ロイヤルオーク パーペチュアルカレンダー Ref.26579CE.OO.1225CE.01
というわけでこの新作ロイヤルオークなんですが、黒い素材でできたケースやベゼル、ブレスレットはもちろんセラミック素材。
先ほどもお話ししたように、セラミック素材を成形したり掘削したりするにはとても高い技術が必要となるわけですが、ロイヤルオークの特徴でもあるヘアライン仕上げのケースやボディはそのままこのセラミックモデルにも採用されています。
濡れたように輝く部分と無数の小さな傷が刻み込まれたヘアライン仕上げがされた部分が合わさり、立体的な素材感を生み出しているロイヤルオークがセラミックのモデルでもうかがうことが出来ますが、そこがすごく神秘的に映ります。
これまでステンレス、18Kピンクゴールド、18Kホワイトゴールド、18Kイエローゴールド、プラチナで構成されていたロイヤルオークですが、ブラックセラミック素材で濡れた氷のような質感が表されているところにミステリーを感じます。
加工にコストがかかっているように、ムーブメントも永久カレンダーという3大コンプリケーションの一つをごく自然に載せているモデルで、ケース内外ともに人間の英知が集結した最高の工芸品が出来上がっています。
セラミック素材が現代では珍しくないので、特殊素材の腕時計ランキングでは当然のように見過ごされるロイヤルオークのセラミックモデルですが、同社の加工の技術や、表現の芸術性を合わせると単にセラミック素材だとは思えないのがロイヤルオークなのです。
ステンレス素材をあそこまできれいに磨き込める技術は表彰モノです。
セラミックの加工の難しさからくる生産コストと、永久カレンダーのムーブメントをオーデマピゲというブランドで包むと定価は1000万円くらいしますが、傷もつきにくいしいつまでも綺麗なボディを維持できることから、文字通り一生使っていける腕時計なんじゃないかなと思います。
一生使っていけるなら1000万円という価格はオーデマピゲの名前から考えると決して高くはありません。