
時計と車は深く関りがあるといつもお話ししていますが、かかわり方にもいろいろあります。
例えばF1とコラボしたモデルがタグホイヤーからたくさん出ていますが、これも車と関りがあると言えます。
レーシングで使用する軽量で強度のある、例えばカーボン素材を使用して作る腕時計も車と関係があると言えます。
レーシング仕様のクロノグラフや、目立ったデザインのモデルも深く関りがあり、時間を計るという時点ですでに時計と車は縁深き関係なのです。
その中で、ちょっと他とは違ったアプローチをしたヴァシュロンコンスタンタンの腕時計が存在します。
ヴァシュロンコンスタンタン ヒストリーク アメリカン 1921 Ref.82035/000R-9359
このモデルはなかなかアイディアに富んだ腕時計ですが、実は1921年にすでに誕生している腕時計なのです。
アメリカの富裕層の顧客に注文されて作ったという45度文字盤が右に傾いているユニークな腕時計。
なんでこんなことになっているかというと、車を運転している時に時間を確認しやすいようにという計らいでデザインされています。
当時のデザインを復刻したモデルが2008年にアメリカ限定で誕生したんですが、反響が高かったのか、翌年2009年には一般モデルが誕生しました。
それがこのモデル。
リューズが12時位置にあるんですが、懐中時計の雰囲気をも持っています。
12時位置というのもなんだかややこしい感じですがw
右隅ですかね。
さてそんな40ミリのクッションケースを持つヴァシュロンコンスタンタンのヒストリークですが、特筆すべきはムーブメント。
手巻きムーブメントCal.4400というのが入っているんですが、これが何とも薄い。
厚さわずか2.8ミリという厚みで、ピアジェやブルガリのムーブメントくらいしかありません。
元々開発力にかけては最強の部類に入るヴァシュロンですから、こんなのはいとも簡単に作ってしまうであろうブランドですが、それにしても薄い。
味のあるインデックスフォントに、ブレゲ針が合わせられ、スモールセコンドも3時位置に配されたレイアウトを持つほかにはないタイプの腕時計です。
クッションケースや3時位置にスモールセコンドがあるところがパネライのルミノールやラジオミールっぽい。
レフトハンドモデルでは全くこういった感じのスタイルをしているので少し面白い感じです。
40ミリ四方の手巻きモデルの1本で、運転する際に便利な腕時計です。
車の運転のみならず、船などの操縦時も便利かもしれません。
割と用途がほかにもありそうな1本なんじゃないかなと思いましたとさ。