
僕がランゲ&ゾーネの腕時計が好きな理由のひとつに挙げられるのそのドレススタイルから。
腕時計のカテゴリのなかでも僕が一番好きなのはスポーツウォッチでもない、ダイバーズウォッチでもない、コンプリケーションでもない、シンプルなドレス系の腕時計。
ランゲ&ゾーネの腕時計の中で僕が好きなのはあのシャープな大剣のような形状をしたアルファ針と呼ばれるスタイルのハンズがすごく好きで、針が変わると腕時計の印象がガラリと変わります。
時計のインデックスが人間の顔で言うと目なら、針は鼻に相当するんじゃないかなと思います。
シャープな印象を与える鼻筋の通った鼻は顔全体を引き締める効果がありますが、腕時計のアルファ針もまた時計全体をよりドレッシーに見せてくれます。
オメガのスピードマスターが誕生したのが1957年ですが、初代モデルが登場してから2年後にはすでにこんな感じのアルファ針をまとった1本が誕生していたんですね。
CK2998
CK2998と言えばオメガファンの中には知っている人も多いことだと思いますが、ヴィンテージスピマスのなかでもかなり高い人気を持つのがこの個体。
現在、どの程度存在していて、どのくらいの価格が付くのかも全くわかりませんが、非常にかっこよく、端正な顔立ちはいまでも十分通用します。
オメガのスピードマスターは基本的なデザインを変更しないことでも有名で、現在のモデルか過去のモデルかが区別しにくいところが魅力的だったりします。
これはポルシェの911が同じ感じであるので、旧型の価値があまり落ちないんですね。
1959年に誕生し、すでに半世紀以上たっている現在ですが、いまだに廃れないデザインが非常に見事で、オメガもそんなCK2998の人気ぶりからか、現代に復刻モデルを発表しています。
スピードマスター ムーンウォッチ CK2998 リミテッド Ref.311.33.40.30.02.001
このモデルなんですが、まるまる復刻させたというよりかは、重要なポイントを残し、現代風にアレンジしたという感じの1本。
冒頭でもお話しした、CK2998のオリジナルを印象付けるアルファ針や、むき出しではないもののフラットに成形されたベゼルなどがオリジナル作品を彷彿させます。
近年になってようやく確立した安定した青色を出す加工技術。
過去の腕時計を見ても青を使用した腕時計は皆無で、現代になってようやく青色が頻繁にスイスの機械式腕時計に登場してきたのはそのため。
高貴な色で神秘性を感じさせる青は心理学的にも人に落ち着きを与える色。
無意識のうちに青色を選ぶという現象も中にはあるかもしれません。
スピードマスター ムーンウォッチ CK2998 リミテッド Ref.311.32.40.30.02.001
そして同じくアルファ針のCK2998のトリビュートモデル。
青ではなく黒色が使用された1本で、パンチングレザーストラップと合わさった、すこしパンクなモデルw
僕としては青いほうがおすすめかなと。
よりドレッシーで過去のオリジナルにより近い気がします。
というわけで、オメガのスポーツウォッチでありながら、ランゲ&ゾーネのようなシャープなドレス感も兼ね備えた過去の作品のトリビュートモデルでした。