
戦後、耐磁性に特化した腕時計が各社から販売されました。
結果どうなったか。
実はミルガウスやインヂュニアなどの耐磁性の高い腕時計が販売されましたが、ことごとく売れませんでした。
ロレックスのミルガウスでもです。
戦後でもあったことから、いろいろな理由で耐磁性の高い腕時計が作られましたが、対して特別な利用用途がなかったので世界中で不振だったんですね。
現在では電磁波など、電波を発する機械なども多く、パイロットやその他一般的にも高い耐磁性を誇った腕時計が売れるようになりましたが、実はIWCはブランド内でも耐磁性の高い腕時計を割と幅広く作っているんですね。
一つはパイロットウォッチシリーズ。
軟鉄製のインナーケースで二重構造にし外部からの電磁波を出来るだけシャットし、金属物質で出来たムーブメントが磁石化しないようにしてあります。
極端にいうと電磁波が多く集まると金属が帯電し磁石のようになります。
そうなると皆さんのご想像の通り、腕時計の進みが遅くなります。
それが耐磁性を高めるための理由なのです。
高い精度を保つことが目的であることから生まれたインヂュニアですが、このモデルが登場したのは1955年。
戦後10年を経て誕生したIWC初の耐磁専用の腕時計です。
今日はそんなIWCのインヂュニアについて見てみたいと思います。
最近はローレウス財団とIWCのコラボ作品についてお話ししていますが、今日はインヂュニアとローレウスのコラボモデルについて。
インヂュニア ローレウス Ref.IW323310
このモデル。
インヂュニアとローレウスがコラボした1本ですが、ドレス系のインヂュニアに青い文字盤が良く似合います。
シャープな太い針とやや太めのバーインデックスが高い視認性を発揮しています。
まあなんというか、普通に美しいモデル。
通常ない文字盤色で、その他のローレウス財団限定モデルのように希望の青が使用されています。
最近の流行色でもある青は加工が難しく、安定した色を作れないという理由でこれまでにはなかったわけですが、
今モデルのような綺麗な文字盤なら2011年に発売されたモデルですが、人気が再燃してもおかしくないんじゃないでしょうか。
インヂュニア オートマティック ローレウス限定 Ref.IW323909
そしてインヂュニアSLのデザインを受け継いだ、ジェラルドジェンタ氏の哲学を受け継いだ1本。
このスポーツタイプのインヂュニアにもローレウスの青が使用されています。
ラグなしケースのインヂュニア。
これもかっこいいです。
というわけで、青い文字盤が使用されていると非常に高貴な感じに時計が変身します。
2011年と2015年にそれぞれ発売されたモデルですが、もしかしたらまだ新品の個体が残っているかもしれません。