
19世紀の頭らへん、1830年に2人の兄弟によって創設されたボーム兄弟社。
創業家の3代目とパートナーのポール・メルシエによって現在のボーム&メルシエにブランド名を変更しました。
ブランドの知名度は日本ではそんなに高くありません。
しかし当時から技術力の高さで群を抜いていたブランド。
19世紀終わりには、イギリスのキュー天文台の時計の精度コンクールで史上最高得点をマークするなど存在感をアピールしていました。
現在では目立った技術革新はありませんが、30万円から40万で買える低価格なスイス製ウォッチを生み出し一定の人気を集めています。
機械時計入門編ともいえるロープライス。
しかしデザインや質は他のスイスウォッチと遜色のない作り込み。
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中でもクラシマと呼ばれる同社のフラッグシップモデルはやはり群を抜いてかっこいい。
ボーム&メルシェ クラシマ M0A10215
文字盤のセンターにはギョーシエ模様が入り、100万円を超える腕時計にも劣らない手の込みよう。
42mmだったケースの直径は40mmへと抑えられ、丸みのあったボディはモダンにシャープにシリンダー型へと変更されました。
もともとシャープでシンプルすぎるくらいシンプルで、世界中にクラシマファンは多いんですが今回のサイズ変更で女性ファンもより多くなる気がします。
裏は人気のシースルーバックを忘れていません。
クリアな蓋から覗くムーブメントはセリタのCal.SW200。
ETA2824をモディファイしたというムーブメント。
ルビーを増やしたり、ホゾにローリング加工をするなど手がかかっていますがETAより安価。
そのため時計の価格が抑えられますが、質が劣っているわけじゃない。
セリタは元々ETAの下請けでもあり品質は同じ。
むしろETA2824よりも丁寧な変更が加えられています。
同じ品質でETAより安いセリタのムーブメントはスイスの機械時計の約3割を担っていると言われています。
良質のムーブメントを積んだクラシマは現代風に改良され、内から外からより良くなって帰ってきました。
ムーブメントの価格が抑えられて実現したコスパ最高の美しい1本です。
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